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大きく世界が動き出そうとしています。
リーマンショック以来各国が景気対策として打ち出してきた金融緩和も、効果はそれほど見られず、行き過ぎた金利の低下や実体経済にそぐわない債券の高騰はバブル時のようです。
ここにきて各国の金融政策の流れが変化してきました。アメリカ、ヨーロッパ、日本、それぞれの国別にみていきましょう。
アメリカは政府と中央銀行との意見がバラバラ
アメリカの大統領、トランプ氏は自国の景気低迷を底上げするため、いままで世界の国々に向けて行ってきた資金援助をストップさせ、アメリカ第一の政策を打ち出しています。この内容はアメリカファースト、つまりほかの国はどうでもいいからとにかくアメリカの景気だけを回復させ、世界第一位の貿易赤字を抱えるアメリカの経済を(いったん破産させてでも)一気によくしようというものです。
そのためには金利を下げてアメリカドルの価値を下げ、貿易黒字が出やすいようにしないといけません。
しかし、アメリカの中央銀行、FRBはある程度景気は緩やかに回復しているという見方を示し、資金繰りが非常に厳しくこのままでは破綻してしまう恐れもあるため、金利を上げて今まで購入していた債券(国債や株、住宅ローンの債券など)をこれ以上買い入れないと発表しています。金利を上げるとドル高になる傾向があり、債権の買い入れをしなければ景気は悪くなります。
つまり、アメリカ政府とアメリカの中央銀行との意向がバラバラになってしまっているのです。
トランプ氏の政策はことごとく予算を必要とし、それが議会で承認されないためこのままいけば政府閉鎖(政府が機能しなくなる、政 府の機能が停止する)ことにもなりかねないと連日報道されています。
実際の景気はハイテク株が値下がりしていることや、債券価格の下落など、あまりよくないようですがFRBは金利を上げたいようです。
ヨーロッパはくるしいながらも金融引き締めへ
フランス大統領のマクロン氏が誕生し、ユーロ崩壊の危機を免れてほっとしている印象のヨーロッパですが、経済は決して良くはありません。
難民問題に始まり、イギリスのブレグジット、失業率の高い状態が続いています。
もともとEU連合を経済的に支えていたのはドイツですがそのドイツも銀行が破たんしそうだという危うさです。このまま金融緩和を続けるとEU自体が資金繰りに困り、破綻してしまいます。
そのため、ECB(欧州中央銀行)は見通しが悪化すれば資産買い入れをするかもしれない、とは言いながらもできるだけ資産の買い入れしない方針を打ち出しました。
資産を中央銀行が買い入れないとなれば、当然債権は売られるため債券価格は下落し、金利の目安となる長期金利(10年債利回り)は跳ね上がります。この長期金利が跳ね上がると住宅ローン金利などの金利も跳ね上がるためヨーロッパの実体経済にとっては大きなダメージです。
しかし、こうするしかECBには道がなかったのでしょう…。
日本は強気でまだまだ金融緩和??
日本とて、日本銀行の資金繰りが潤沢なわけではありません。世界一の借金国、なんて言われていますし、実際に国債や株などの買い入れやマイナス金利の導入、円安誘導のためのドル買いなど様々にお金を使いまくっています。
しかし、今のところ安倍総理が現役で、金融緩和政策を黒田バズーカと称してぶっ放してきた日銀黒田総裁とのタッグが続いていますので、まだまだ強気の姿勢を維持していますがこの強気はどこまで持つのか…。
金融緩和を今まで通り続けて、東芝も一部降格している中で株価を釣り上げている日銀ですが平均賃金は全く上がらず、個人消費も伸び悩む中、実体経済とはかけ離れた株価の高騰になっている状況です。バブル崩壊の前を思い出させる事態です。
森友学園、加計学園問題、稲田元防衛大臣の問題発言などにより、安倍総理の支持率が低迷してきているため、死に体の安倍政権がどこまで続くのかも注目です。
ここで安倍政権が崩壊すると金融緩和が一気にストップになる恐れがあり、バブル崩壊以来の危機的状況に陥るかもしれません!
今はユーロ高ですが今後の各国の為替見通しは
ECBが金融緩和をアメリカ同様やめると言い出せば一挙にユーロ問題が噴出し、ユーロ安になる恐れがあります。10月にドイツの首相選挙も控えており、十数年に及ぶメルケル政権が終焉を迎え、また各国がEU離脱の機運が高まり、EU崩壊の危機に陥るかもしれません。
アメリカは現在のところ打つ手がない状態で外交カードが効いておらず、中国、ロシアも大統領の発言にはほぼ無視状態です。FRBが金利を上げれば一時的にドル高になるにしてもアメリカの経済が悪く回らない状態であればドル安に転じるかもしれません。
日本は安倍政権がどこまで持つかにもよりますが、金融緩和を続けていればある程度の水準の円安には持っていきそうです。しかし、この金融緩和が終了すればどーんと円高になるかもしれませんね。